Posted By きっちょむ
Created at 2018/02/16 18:39:34
Updated at 2019/05/29 00:30:02
メインPCを新調する際に、安くて性能の良いCPUクーラーを基準に選定したところ、本製品の評判が良かったので購入してみることにしました。
ネットで調べてみても冷却性能について言及した記事が無かったので、今回はAMD Ryzen 7 1700を定格(3GHz)から3.9GHzまで順次オーバークロックし、それぞれの温度上昇を調べたいと思います。
今使っているPCケースがAntec DF-85という冷却性能の高く拡張性もある製品なので、トップフローも良いのですが、エアフローを重視してサイドフロータイプの本製品を選ぶことにしました。
形状の異なるフィン46枚で構成されており、その形は凹形状で独特、この形によりエアフローが良くなるらしいです。
(他社でもよく似た形状が多いので嘘ではなさそう。)
横から見てみると分かりやすいですが、メモリ干渉を抑えるためにフィンがナロータイプなっていて、かつ、後方にオフセットされています。
(写真は向きが逆になっていますが)
また、近年大型化するGPUとの干渉も抑えるために、こちらも上側に若干オフセットされています。
簡単に言っていますが、結構凄いことですよね。これって。
φ6mmのヒートパイプが6本、受熱プレートと精度良く挟みあわせされています。受熱プレートの上部には小さいながらもヒートシンクが備え付けられており、急激な温度上昇などにも効果がありそう。
ちなみに、数年前までは主流だったヒートパイプダイレクトタッチ構造は、冷えないということで最近は採用されなくなっているそうです。(冷えそうなのにねー。)
また、リテンションシステムにはスプリングスクリューによる最適な固定圧を得られるようになっています。インストールも簡単でした。
付属ファンは、300~1200rpmまで廻るワイドレンジ仕様。固定するところが防振ラバーになっていて静音性にも一役買っていそう。価格が安いので、不満点を挙げるのも憚られるが、近年のピカピカ自作界においては、ファンが光るとより一層良かったかもしれないですね。 (要は地味って事。)
実際に組み込んでメモリとのクリアランスを確認しましたが、全く問題ありませんでした。
最近のCPUクーラーは凄いですねー。数年前の心配事がどんどん無くなっていっています。
・本体
・リテンションキット一式
・ファン
・グリス
・図解入り多言語マニュアル(日本語含む)
付属品は必要最小限なものが入っていました。値段の高いファンとかだと、グリスが一本入ってたりしますが、この辺りは価格の安いファンだなぁ、という感じです。
サイズ:
130(W) x 154(H) x 83(D) mm (付属ファン含む)
120 x 120 x 厚さ27 mm (搭載ファン)
ファン回転数:300 (±200) rpm ~ 1200 rpm (±10 %)
ノイズ・風量:4.0 ~ 24.9 dBA / 16.6 ~ 51.17 CFM
静圧:0.75 ~ 10.3 Pa / 0.0762 ~ 1.05 mmH2O
MTTF(平均故障間隔):120,000 時間
対応ソケット:
Intelソケット 775 / 1150 / 1151 / 1155 / 1156 / 1366 / 2011 / 2011(V3)
AMDソケット AM2+ / AM3+ / FM1 / FM2+ / AM4
重量:645g
保証:1年間
冒頭でも説明しましたが、AMD Ryzen 7 1700を定格から3.9GHzまで、オーバークロックし、書く条件における冷却性能を計測しました。
その際のPC構成は以下になります。
【CPU】AMD Ryzen 7 1700
【CPU cooler】サイズ 虎徹 MarkII SCKTT-2000
【MB】ASUS PRIME X370-PRO
【RAM】Corsair CMK16GX4M2B3000C15 [DDR4 PC4-24000 8GB 2枚組]
【SSD】SAMSUNG SSD 830 512GB RAID0・・・合計1TB
【GPU】MSI GeForce GTX1060 GAMING X 6G
【CASE】Antec DF-85
【PSU】Antec HCP-850
PCケースは数年前の旧型ですが、かなり冷却性能の高いものになっていて、今時の静音性の高いケースだと、テスト結果はもう少し高い物になると予想されます。
定格から3.9GHzまで冷却性能を計測しましたが、謳い文句通り、急激な温度上昇などは見られませんでした。3.7GHz(Core電圧Auto設定)までのOCであれば、CPUクーラーの性能で緩やかな温度分布になっていることが分かります。今回の環境においては3.9GHzが66℃まで上昇しているので、オーバークロックとしてはこの辺りが限界かな?と思います。
夏の常用までを考えれば、3.7GHzか3.8GHzまでのオーバークロックで抑えておくのがいいかもしれません。
(PCケースファンを限界一杯まで廻せば、まだ冷えるとは思いますが、常用したくはないので、この辺りで抑えています。)
巷では高性能な簡易水冷クーラーなども出回っていますが、正直ちょっとしたOCする程度であれば本製品で全く問題無いという結果が出ました。
静音性も素晴らしく、ロード時においてもまだまだケースファンのほうが五月蠅かったです。
・価格が安い
・干渉しづらく組み込みやすい設計
・OCにも対応する冷却性能
・静音性も高い
非常に優秀なCPUクーラーです。唯一の欠点は(人によっては長所)ファンが光らないことくらいです。
CPUクーラーに迷ったら、まずこの製品を選んで間違いないと言えると思います。お勧めです。