Posted By Wizard03
Created at 2019/02/11 23:58:43
Updated at 2022/01/27 13:47:32
このレビューは株式会社リンクスインターナショナル様より製品をご提供いただいた、提供レビューです。
今回は組み込むケースがなかったMini-ITXのM/Bと余っていた240mmx120mmの簡易水冷を用いてPCを組みました。
結論からいいます。このケースは吸音性能が高く、つくりも悪くないのに安いです(実売\6300前後)
このケースを使ったらいい人は以下の通りです。
・安くPC組みたいがプラスチックの装飾が苦手な人
・静かなPCを組みたい人
・3.5inch HDDを使わない人(240mm水冷を載せる場合)
・ケースを頻繁に開けて部品交換しない人
・裏配線をしなくてもいい人
続いてこのケースでの推奨パーツは以下の通り。
M/B:MicroATXサイズ(ケースが安すいのでC/Pが最も良いマザボ―ドを選ぶべき)
電源:3.5inch HDDを使う場合は短かいサイズの製品でフルモジュラー式ではない方が配線がラク。(C/Pもよい)
3.5inch HDDを使わない場合は何でもいい。
グラフィックボード:1枚まで
CPUクーラー:ケースの寸法内でサイドフローか簡易水冷
さて、詳細をこれから記述します。ほとんどが組みやすさについてのレビューで最後にCPUやHDDに負荷をかけた検証を載せています。
なお、このレビューに記載した数値は目安です。実際のものと異なる場脚があります。
・自然光だとプラスチックとスチールの黒の色味が異なるがLED照明下では気にならない。
・スチール部分は梨地、フロントパネルはヘアライン仕上げというよりはウッド調でプラスチックなのにチープ感がない。
・脚(インシュレーター)はメッキ仕上げのプラスチック、径は35.5mm(実測)と大きくないが安定感があった。
↑24インチモニタと並べたところ。ケース上に立っているのはM/B付属の無線アンテナです。
現用のHDD8台入りATXケースと高さ以外はほぼ変わらず、意外とコンパクトではなかった。
三ツ矢サイダー1.5L8本入りの段ボールよりほんの少し大きいぐらいのサイズでした。
・Micro-ATX仕様。Mini-ITXも使用可能。
・背面排気120mm角FANが1台装備済み。
・前面吸気140mm角FANが1台装備済み。120mm角FAN2台に変更も可能な設計。メッシュフィルタあり。
・底面電源吸気口1つ。フィルタはあるがレール式でなく硬めの網をひっかけて固定するタイプ。ケースを正立したままでの掃除はし難い。
・背面カードブラケット横の自然排気口90mmx35mmぐらい。
・マザーボードベースは右側固定の正立構造で一般的。
・出荷状態だと360mmまでの拡張カードに対応。
正確な仕様は製品ページで確認下さい。
・フロント方向への余裕はあるがマザーボードベースと天板や電源ユニットはギリギリの距離で上下方向の余裕は少なかった。
このため、2スロット占有グラフィックボードを用いたSLIやCrossFireは2枚目が電源ユニットに近く吸気しにくい為やらない方がよい。
Micro-ATXのM/B使用時のUSBやオーディオ内部配線は裏配線出来ない。最下段にカードを取り付けた際はケーブルと干渉する恐れがある。
・水冷ユニットCORSAIR H100を搭載した時、ラジエータと拡張カードブラケットの距離は340mmほどあった。
見えるところは綺麗につくってある。見えないとこも安全につくってある。
・シャドーベイやケーブルホールに至るまで折り曲げ加工がしてあり、手を切るようなところは一つもない。
・拡張ボード用プラケット4つのうち下2つが切り取り式になっている。
・脚のメッキには若干のムラや剥げがあった。
・サイドパネルのネジ穴が取付面に垂直になっていない。
フロントパネルと両サイドパネルには薄い布シートが貼ってある。
これがものすごく効いており、風の音が内部で反響しないため静かだ。
エアコンの音の方が大きいぐらい。こんなに静かならAntec P101 Silentも欲しくなってきた。
↑赤矢印のところがCPU電源ケーブルを通す穴。小さいのでM/Bを固定する前に通す必要がある。
マザーボードベースと側板の間は14mmないぐらい。裏配線する場合は、この空間にケーブルを納めなければならない。
また、プラグイン式電源ユニットの場合は平らな形状(きし麺タイプ)よりは、旧来のメッシュスリーブの方が配線しやすかった。
↑まず、フラットタイプを用いてみたがワイヤでケーブルを固定しにくいのと、ケーブルホール近くで嵩高になり断線の恐れがあるので断念した。
メッシュスリーブタイプの電源に変更し実際に裏配線した様子↑
3.5inchのHDDを搭載する場合は電源ユニットとケーブルホールが近すぎて配線しにくい。電源ユニット側コネクタへの負荷が大きく、短い距離で曲げるためケーブルの束に厚みが出やすく裏配線すると側板がたわむ。
3.5inchのHDDを用いない場合はHDDホルダー全体を取り外してしまえば配線がしやすい。
・5inchベイ(1台分)はフロントパネルで遮音できる。取付、配線ともに問題なし。
・3.5inchベイ(2台分)はスライドトレイ。3.5inch HDDの取付は樹脂製トレイをしならせ、内側の突起をネジ穴にはめる。取り付けは簡単でガタつきもない。
ただし、配線は難しい。M/Bベース側に向いたコネクタに配線するように出来ているがスペースが狭く、ケーブルの折り曲げでSATA電源コネクタは断線しやすくなる。
筆者は断線からショートしてHDDが壊れた経験が数回あり、最下段の使用は推奨しない。
・2.5inchは5inchの下に1台、3.5inchの上に1台、近頃多いマザーボードベースに固定の2台、計4台である。
5inchベイの下の2.5inchベイ↑
↑マザーボードベースに固定するSATAストレージは大概の電源コネクタが干渉する。
配線とコネクタの向きがストレートのタイプを用意する必要がある。なお、水冷ユニット取り付け後でもここは簡単に2.5inchストレージの取付が出来た。
↑黒いコネクタのうち下のタイプがマザーボードベース固定のストレージに必要。
M/B:GIGABYTE AB350N-GAMMING Wi-Fi
mem:OCMEMORY DDR4-3200 2*8GB
PSU:ZALAMAN MX550-XG
CPU:AMD Ryzen3 2200G
CPUcooler:CORSAIR H100(前面取付)
HDD:WesternDigital WD20EARS(3.5inch、上段に搭載)
HDD:WesternDigital WD15EADS(3.5inch、下段に搭載)
HDD:TOSHIBA MK1255GSX H(2.5inch)
CASE:このレビューの製品
排気:搭載FAN720rpm
吸気:クーラー付属FAN*2基1000rpm前後
室温25℃
①アイドル時とCPU負荷時のCPUとケース内温度を調べた。
CPUの負荷にはPrime95を30分をかけ、温度はM/B付属ユーティリティの値を用いた。
結果は下記の通り。
アイドル時:CPU26℃/System37℃
CPU負荷時:CPU62℃/System43℃
検証中温度が安定したところでフロントドアを開けてみたが温度に変化は見られず、静穏機構が吸気の抵抗になっていないことが確認できた。
②HDDの冷却性能を見るためマザーボードベース上段に2.5inchHDDを1台、3.5inchベイにHDDを2台搭載してアイドル時の温度、Prime95でCPU負荷をかけCPU温度が安定(62℃)してからHDDにデフラグを20分かけた時の温度を調べた。
HDDの温度はCrystalDiskInfo V8.0.0 x64にて得た値を記載した。
結果は下記。「アイドル時/CPU負荷&HDDデフラグ/負荷&デフラグ終了後20分の温度」の順に記載。
(3.5inch上段)WD20EARS:36℃/38℃/36℃
(3.5inch下段)WD15EADS:33℃/45℃/42℃
(2.5inch上段)MK1255GSX:29℃/35℃/29℃
CPUの廃熱の影響よりも、エアフローの関係でHDDが少し冷えにくいようだ。特に3.5inchベイの下段は冷えにくい。ハイエンドCPUを使う場合は廃熱の影響も大きくなるため240mmラジエータの水冷の搭載とHDDの搭載は併用しない方がよさそうだ。
HDDは冷却面、コネクタ配線の関係で使用しない方がよい。
HDDを使用しないと決めてしまえば、エアフローや配線レイアウトの自由も高く、静音で光らないPCを安くつくるのには適している。
■ギャラリー
↑電源ユニットのフィルター。ケースを持ち上げるときに、うっかりはずしてしまった。