古き良きバックリングスプリング方式のキーボード

こんにちは、ちゅろめです。
底が見えないキーボード沼を歩くにあたってalps軸と同等に避けては通れないスイッチがあります、それが「バックスプリング方式」です。
にわかの私もついに手を出してしまいました。


※見出しのリンク先はunicompではなく日本代理店であるダイヤテックのサイトになっています

古い金型ですので成型時の傷やテカリが目立たないよう白モデルを選択しました。
実売価格は13k弱といったところでしょうか、店頭では見かけなくなったのでunicomp公式かダイヤテックから購入するしかないです。
Amazonにも黒モデルが13kほどで出ています。正直新品の鍵盤ってちょっと高い

 

付属品はいたってシンプル、キーボード本体とダイヤテックの検品書、unicompからfccidなどについての記述等最低限の書類が収められているのみです。ゲーミングキーボードにありがちな過度な装飾の箱もありません、ただのダンボールです。だがそれがいい…志向の打鍵の前では仮初の装飾など不要…厨二臭いポスターなど笑止千万…。

 

筐体はスペースバー下のボタンの名残からもわかるように5576シリーズの一つ、5576-c01の物を受け継いでおり丸みを帯びたデザインが特徴的ですね、テンキー上部のLED窓の位置のみc01とは違っています。

うーんスケールモデルよりも酷いバリ

キートップは昇華印刷、5576-c01がスライダーと一体だったのに対してほとんどのキーが角ロゴ等と同じ二層構造に変更されているのでc01よりは上質な打鍵となっているのではないでしょうか。画像からもわかるようにキートップ、スライダーともに当時の金型を使用しているためバリが酷いです、このへんは割り切って自分で直すしかないですね。

ステップです、peerless程ではありませんがそれなりに傾斜のついたカーブを描いており本機の打ちやすさに一役買っています。

チルトスタンドです。
小型でゴムもついてませんがスタンド自体が太く、キーボード自体の重量も凄まじい為これでも十分でしょう。

 

ここで簡単に仕様をまとめておきます。

・接続はusbで同時押しは4キー+1(コントローラーの関係上キーによって変動)
・バックリングスプリング方式採用
・筐体は5576-c01と同じでトラックポイント等がなくなり配列が変化した、背面に若干のヒケあり
・印字は昇華印刷で緑系が少し入った黒色で印字の質は金型同様あまり良くない

 

既に多くの先輩方が詳細な解説をしていますがご存じでない方のために軽くバックスプリングとは何ぞや?といった解説をしておきます。
バックリングスプリング、別名「座屈ばね機構」はその名の通り内部のバネに荷重がかかり折れ曲がることでメンブレンシートを押し、反応させるといったものです。機構には製造元によって若干違いがあるのですが今回はunicompのバックリングスプリングを使って説明していきます。

5576-a01のブラザー工業バックリングスプリングのようにスイッチ単体にすることはできません。

ハウジング内部のバネが見えるでしょうか。あのバネが押されると画像中央のスライダーのガイドに沿って折れ曲がり、一気にキーがストロークされるとともにバネが戻る力によって底面のメンブレンシートが押され入力されるという寸法です。

この方式はバネが折れ曲がっているだけあって金属質で大きい五月蠅い打鍵音がします、タイプライターを意識して作られた方式と言われていますがまさにタイプライターさながらの打鍵感です。cherry青軸のチッチッといった音やalps白軸のカチカチした音とも違い「カシャンカシャン」といった感じの金属質な音が使い手に如何にも文字を打ち込んでいるという満足感を与えます。

また打鍵感についてもメカニカルなどとはわけが違い行きはバネの折曲がりによる強烈なクリック、帰りはバネが戻ることによりリニア並みの強い反発が感じられます、撫で打ちなどは不可能な方式ですが私のようにキーボードを叩くように入力する方にはもってこいなフィーリングです。
cherry青軸の軽さからくる戻りの遅さにはイライラしていましたがこれならそんな心配もありません、厳密にはバネが折れる分戻りが遅いはずなのですが戻りのフィーリングやクリック感とほぼ同時に入力されることにより遅延をほとんど感じさせず自分のリズムで打つことが可能なのです。こればかりはバックリングスプリングでしか味わえない打鍵感なのではないでしょうか。

 

 

さて今回ご紹介したunicomp Ultra Classic 106、いかがだったでしょうか。
個人のブログではないので他の鍵盤を出せずやや説明が行き届いていない部分があり申し訳ありませんが私の感動が少しでも伝わっているとありがたいです。
大きい打鍵音や重めの荷重はかなり人を選ぶとは思いますがそれを差し引いても有り余るほどの圧倒的な打鍵感での優位性、キーボードの王様と言われている角ロゴ等の名機には劣るのでしょうが十分にその魅力を継承しており、リアフォなどの良くも悪くも無難なキーボードと比べるとじゃじゃ馬だからこその文字を打つ楽しさ、タイピングの持つ本来の魅力が味わえると思います。
unicompにしろとはいいません、一人のキーボードヲタとしてバックリングスプリング方式に一度は触れていただきたいものです。