Posted By ちゅろめ
Created at 2019/07/31 17:07:06
Updated at 2019/07/31 17:30:02
このレビューはAntec Japan様より製品をご提供いただいた、提供レビューです。
こんにちは、ちゅろめです。
今回はAntec製pcケースp101 silentの提供レビューになります。
個人的にはAntecのpcケースといえば古いものだとsoloやP183など、静粛性に優れた堅牢な製品のイメージがあります。
RGB LEDの流行に伴いアクリルや強化ガラスのサイドパネル、見た目を重視したスリットなどを使ったケースも多い昨今、それとは対極にケース本来の役割である剛性や拡張性、静粛性に拘った静音ケースを使った感想を述べていきます。
p101 silent (以下p101) は静粛性などで人気を集めたp100の後継としてリリースされた製品です。ケース内部にこれでもかと敷き詰められた防音材や取り外し可能な8つの3.5インチベイ、0.8mmのSPCCによる剛性の高い筐体など、静粛性と堅牢性、拡張性と三拍子そろったp100の後継にふさわしい製品となっています。
付属品です。メーカーロゴの書かれた箱がつかわれており、ケース内部の3.5インチベイに装着されていました。
内容物は
でした。
マニュアルは簡素ではありますが日本語の説明文も書かれており、組み立ての際に苦労することはないと思われます。p101はファンコントロールなど他のケースには無い機能も搭載しているので説明が丁寧なのは好感度が高いですね。
ネジ類は黒に塗装された物が多めに入っていました。普通のATXマザーにドライブ数台という構成であれば多少無くしたとしても余裕あるのではないでしょうか。
ケース内、外の構造およびサイズなど本体スペックについて。
本体スペック
画像を交えて各部を説明していきます。
樹脂製の枠にantecロゴ入りのステンレスパネルがはめこまれており、シンプルでありながらなかなかかっこいいですね。吸気用のスリットに白いインテークがあしらわれているのも見た目に一役買っている気がします。
もはや同社製品としてはおなじみですが全面は扉のように開く事のできるパネルで覆われており、必要に応じて開く事により前面ケースファンや5インチベイにアクセスすることができます。
ダストフィルターはワンタッチで着脱可能、メンテナンス性も高いと言えるのではないでしょうか。
フロントつながりで筐体上部のスイッチ周りです。
リセットおよび電源ボタンやHDDアクセスランプといった最低限の機能以外には、
が搭載されています、普通に使う分にはこれで不足することはないかと。
USBポートを3.0,2.0の二種類対応しているのはありがたいですね。最近は2.0非搭載なマザーもあるみたいですが、裏を返せば旧世代マザーボード組み込みの際にも安心して使うことができます。電源を入れるとUSBポートが光るんですよね、おっしゃれー!
さらに注目すべき点としてあげられるのはファンコン用のスイッチです。
このケースは太っ腹なことに標準で計4つのケースファンが搭載されており、このスイッチでhigh-low-offの三段階制御が可能です。
実際に使ってみましたが、そもそもペリフェラルで電源を取得するのでマザーボードのファン端子を圧迫せず、それでいてファンコントロールも可能とかゆいところに手が届く印象でした。
後述しますがケース本体自体の静粛性が十分に高いのでケースファンの動作音は気にならないと思います。
本体内部の構造です。
サイドパネルが非透明でありながらケース内部は白と黒で塗り分けられており、サイドパネルを閉めるのがもったいないくらいにデザイン性が高いです。
特に8つの拡張スロットブラケットが白黒に塗り分けられているのがかっこいいですね、安物にありがちな折って外すタイプではなく一つ一つネジ止めされています、もちろんネジも黒に塗装してあるので悪目立ちしません。
ケーブル用のスリットも豊富に設けられておりケーブルマネージメントの自由度は高いといえるでしょう。
目を引く3.5インチベイや5インチベイは一段ずつはずす事が可能で、全て外すとスペースにかなり余裕が出来ます。(画像右側参照)
本格水冷で使うような大型ラジエーターを搭載するなら全部外さないと無理ですね。まぁこのケースはそういう用途目的ではないと思いますが…(笑)
実際、水冷のチューブを通す穴も無いので事実上本格水冷を組み込むのはかなり制約がきついと思います。水冷ユーザー的観点なので用途が違うだろ!と言われそうですがチューブ用のスルーホールくらいはあってもよかったのではとも思います。
注意点としてあげるとするならば、公式サイトに書かれている対応拡張カード長450mmと言うのは3.5インチベイをとっぱらった時の値のようで、フルに3.5インチベイを使用したときの対応カード長は300mm前後になります。(実測)
余程のハイエンド品でない限りは300mmに収まっているので大丈夫だとは思いますが補助電源端子が後ろにあるカードなどの場合には注意が必要です。
実際に3.5インチベイにHDDを搭載してみました。
裏側から手回しネジで固定されているので先述したように一段ずつ外すことが可能です。
樹脂製のマウンタを引き出しHDDを固定し装着、といった手順でHDDを搭載できます。ドライバーいらずで組み込めるので便利ですね。
ファイル鯖などでHDDを多様する人にはもってこいなのではないでしょうか、フロント吸気がモロに吹き付ける位置なのでHDDの冷却もばっちりです。
ケース裏側です。2.5インチベイはここに搭載されています。
裏配線スペースはそこそこ広めに取られているのでストレージをたくさん搭載してもケーブルマネージメントに苦戦することは少ないと思います。
CPUクーラー用のカットホール(カットアウト?)は大きめに切り取られておりバックプレートの装着も楽にできました。
先述しましたが5、3.5インチベイはここから手回しネジで取り外すことが出来ます。大型グラフィックカードを搭載する場合にはここから3.5インチベイを外すことも視野に入れておいたほうがいいでしょう。
ケース底面です。
スリットと高めに作られた脚によって通気性はよさそうです。ダストフィルターはフロントパネルのものと同じようにワンタッチで着脱できるのでメンテナンスにも困らないでしょう。
ゴム足は最低限ですが装着されています。ケース自体が重いので振動などは余り気にする必要がなさそうな印象をもちました。
私がこのケース最大の利点と考えているのが各所にこれでもかと搭載されている防音材です。
サイドパネル、フロントパネル、天板に厚みのある防音材が貼り付けられており安物のドンガラケースとは比べ物にならないくらいの静粛性を発揮します。
遮音性が高いということはファンの回転数を上げても気にならないということ、ハイエンドなパーツを搭載して大型クーラーで冷やすといった使い方の場合には安物ケースとの差が明確に感じられると思います。
ただ、私の個体だけの現象かわかりませんが画像のサイドパネルに貼り付けられている防音材の固定が甘いように感じました。
両面テープで貼り付けられているのですが防音材の反りによって端が若干浮いてきており、長期使用における耐久性に不安を感じます。
PCケース内部は室温より温度が高くなるので、次期製品を作る際には防音材の固定についても配慮があるといいのではと思いました。
実際に組み込んで見ました。かっこいいですよね!これだけシンプルなデザインになってて中が見られないのは勿体無い(爆)
家族用に使っているAMD FX-6300(レビュー)機にcryorig R1 universal(レビュー)とGTX560ti、HDDを三つ搭載した構成です。
対応CPUクーラー高が180mmなので168mmのR1も問題なく搭載することが出来ました。
またグラフィックボードについても、あえて補助電源コネクタが後ろ側についているモデルを使用してみましたが3.5インチベイに干渉することなく取り付けられました。少なくとも各社リファレンス程度の長さのグラフィックボードでは問題なく搭載することが出来ると思います。
各部の温度ですが、密閉性の高い構造による強力なエアフローもあってか夏場でも常識的なレベルに落ち着いていました。
HDDは3台搭載してみましたがどれも40度以下に収まっていたのでフロントに簡易水冷のラジエーターを搭載するといった使い方をしない限りは冷却に問題はないと思います。
動作音もかなり静かでした。再三になりますが防音材による遮音性、堅牢な筐体による共振のすくなさ、ファンコントロールによる室温にあった回転数、静かになる要素がコレだけあるのに静かにならないわけがないんです!(笑)
長所
短所(注意したほうがよい点)
数々の鉄板ケースを生み出してきたAntecのp101 silent、実売1万円強と手ごろな価格ながら高品質なケースです。
この価格帯にしては贅沢な造りといえるのではないでしょうか。先代のp100と比べても進歩を感じられる製品になっていると思いますし、サイドアクリルが不要という方にはベストバイだと思います。
静粛性に関しても脱帽の一言、私は今までスリット多めの静粛性とは無縁なケースばかり使ってきたので、ここまで明確な差を感じるとは思っていなかったのですが嬉しい誤算です。
見た目の派手さはないながらも重要な部分をしっかりおさえている通好みのケースといった印象でした。
堅牢でシンプルな筐体や生活スペースでも静かに稼動できるといった利点を生かし、家族用のリビングPCやファイル鯖PCなど様々な用途で活躍できる良いケースだと思います。