Posted By ちゅろめ

Created at 2020/03/13 21:15:50
Updated at 2020/03/14 01:34:51

アップグレードパスとしての3600x ~x370に最新6コアを載せてみる~

こんにちは、ちゅろめです。

Zen、Zen+と各世代のRyzenを購入してきた私ですが、今回はZen登場時にリリースされたx370マザーに最新のZen2 CPU「Ryzen 5 3600X」を載せてみました。

またピンボケしてるよ…1700の時にもやったでしょ…

☆これまでレビューしたRyzen CPU(簡素な記事ですが前世代との比較にどうぞ)

 

パッケージを刷新し、よりスタイリッシュなデザインになりました。

ソケットは変わらずAM4ですので、Zen発売当時にリリースされたB350やX370チップセット採用のマザーボードでもbiosアップデートにより動作させることができます。

付属品はマニュアル、エンブレムシール、純正クーラーの3点です。

純正クーラーはTDP95Wに対応した「AMD Wraith Spire Cooler」が採用されています。上位のWraith MAXやWraith PRISMとは違いアルミのみで構成され、RGBLEDも搭載されていない簡素な造りとなっています。

新品での店頭販売価格は32000円。下位モデルである3600の市場価格は26000円ほどでその価格差は約6000円となっています。

今回は秋葉原のじゃんぱら3号店にて未開封品を27000円ほどで購入しました。

本来は保証の長い新品が良いのですが、ハズレ石だった場合買い換えるつもりだったので30週未満に製造された初期の石を新古で探した次第です。

 

Ryzen 5 3600xってどんなCPU?


3600xのスペックです。(AMD公式サイトより転載)

 

TDP95Wの6コア12スレッドCPUで、後述する各種ブースト機能により3.8から4.4GHzのクロックで動作します。

前世代である2600xからの進歩は

  • 製造プロセスが12nmから7nm
  • L3キャッシュが16MBから32MBへ増加
  • 基本クロックが3.6から3.8GHz、ブーストクロックが4.2から4.4GHzへ向上
  • 最大メモリー速度が2933MHzから3200MHz
  • PCIe4.0への対応

といった点が挙げられます。

 

微細化が進み、ついに7nmプロセスを採用するまでになりました。もちろん性能向上に大きく貢献している部分ですし、Intelが未だに14nm(次世代は10nm)で足踏みしていることを踏まえると、将来性的にも大きなアドバンテージと捉えて良いでしょう。

L3キャッシュについてはライトユーザーが気にする部分ではありませんが、上位モデルになるとその差は明確で、フラッグシップである「Ryzen Threadripper 3990x」は256MBものL3キャッシュを搭載しています。下手したらキャッシュの上でOS動いちゃうよ…

 

…なお、pcie4.0はX570マザー使用時のみの機能となっています。

今回はX370での検証なのでほぼ触れません(爆)そもそもpcie 4.0対応製品持ってないし…

 

猛烈にAMDマンセーしてみましたが、我々ユーザーがもっとも体感できる部分は後半二つの「基本クロックの向上」「メモリ耐性の改善」です。

性能に直結してくる部分ですので、次はそれらについて解説していきたいと思います。

 

3600xの周波数ってどうなってるの?~各種ブースト機能について解説~

Zen2ではZenとくらべ15%もIPCが向上しているうえ、周波数自体も前世代から全体で200MHzほど引き上げられています。

ブースト機能自体はZen+からの据え置きで、PB2やPBO、XFR2に対応しています。

(Zen+発表時の画像より転載)

アプローチ的には、電力や冷却力の余剰を最大限活用し最大ブーストを維持し続けるといったものとなっています。

基本的なブーストはPB2、余裕があればXFR2がさらに引き上げ、さらにX付きのCPUとx470(x570)の組み合わせではPBOがより”過激に"ブーストを掛けていきます。

PBOはXFR2での制限を超え余剰をさらにギリギリまで使うといったもので、x370でもbiosアップデートにより対応している板が複数存在します。

 

優秀な機能なのですが、難点としては消費電力が増加すること。

冷却に余裕が無い構成だと発熱的に厳しい部分があるので、付属の純正クーラーを使用するとなると些か不安が残ります。

非力なクーラーしか所持していない場合は大型のクーラーを購入するか、下位の3600を購入した方が良いかもしれません。

 

じゃあ実際の性能は? Cinebench R15で各種比較

うんちくはいいから性能を!!!と思っていた方、お待たせしました。みんな大好きCinebenchのお時間です。

今回はCPUやメモリの設定別にCinebenchのスコアを計ってみました。

~検証環境~

  • CPU:AMD Ryzen 5 3600x
  • M/B:ASUS CROSSHAIR VI HERO (レビュー)
  • TIM:SMZ-01R (そのうちレビュー書きます…)
  • RAM:Hall of Fame OC lab Master 4000CL19 (そのうちレビュー書きます…)
  • Cooling:Custom loop 
  • OS:Windows 10 Pro(常用OS)

冷却に関しては本格水冷を使用していますが、ラジエーターが控えめなのとファンの回転数を絞ってあるので一般的な簡易水冷より若干上程度に考えていただければ良いと思います。

メモリ速度についてですが、Zen2ではメモリ周りが刷新され、Zen+まで存在した「3600mhzの壁」が無くなるとともに、内部バスであるInfinity Fabric(IF)の速度とメモリ周波数が1:1(DDR4メモリの動作の都合上表記では1:2)の関係になる組み合わせが一番効率がいいとされています。

IFが何処まで引き上げられるかは個体差が大きく関わってくる部分ですが、多くの石で到達できるであろうIF1866(DDR4-3733)と、ガチャ要素が含まれてくるIF1900(DDR4-3800)、さらに非同期となるDDR4-4000で検証してみました。どの周波数においてもタイミングを16-16-16-32-48 1Tに設定し、2nd以降も統一してあります。

CPU定格でメモリは対応上限の3200MHz、要するにメーカーが対応を唄っている最大限でのスコアは1692cb。水準的にはZen最上位である1800Xの定格や、Coffelake最上位の8700Kを5GHzまでOCしたレベルの性能となっています。

参考値として採用した1700との比較では定格時には圧勝。

OC時には敗北こそしていますが、1700をここまでOCした場合発熱もなかなかのものになります(おおよそTDP140wクラス)。総合力では勝ったといっても過言では無いかと。

なお、この結果については本格水冷の冷却力を使い、先述したPBOがうまく働いた結果と思われます。空冷や簡易水冷だともう少し低くなるようです。

因みに全コア負荷時には4.25〜4.15GHz程度で動作していました。

 

各部をOCした際の動作について解説

CPU定格@3800cl16では1710cbと、3200mhzの時より確実にスコアが上昇しています。IF1900ですのでこのあたりの性能がCPU定格で安全に常用できる天井だと思います。

CPU温度は最大60度でした、ファンの回転をゆるゆるにしているのもありますがそこそこ熱いです。これはPBOによって最大限ブーストされている事も原因の一つだと思われます。

 

4.3GHzに固定すると同じメモリ設定でも定格よりスコアが伸びる結果となり、ここでも全コア負荷時は4.3GHzより低いラインで動いていることが判ります。3800CL16では1729cbにまで達しました。

CPU温度は定格と変わらず60度でした。勿論石の個体差によって差はあると思いますが、4.3GHz程度なら定格とあまり変わらない発熱で常用できると思います。

全コア負荷時にはPBOより高いコアクロックで動くのはもちろん、メモリを詰めるとなればコアクロックは可変でない方が都合がいいのでメリットが多いように感じますが、3600xの最大周波数は4.4GHzであることを考えるとシングルコア性能はわずかに下がります。

ここらへんは用途と相談して設定してみるのがいいかと。

 

面白いのが、DDR4-4000CL16にしたスコアがDDR4-3800CL16と同等な点

どちらもレイテンシは16-16-16-32-48 1Tで、先述したように2nd以降も統一しているのでIF同期の効果が判ります。

…もちろんIFはCPUの速度に関わってくるだけですから、メモリクロックが動作に直結してくるタイプのソフトでは関係が逆転することもお忘れ無く。

 

設計の古いX370マザーでも常用レベルであればOC動作に支障はありません、わざわざx570を用意しなくても十分使えると思います。

また、個人的な印象ですがCPU定格だとOC耐性の低い石やメモリを使う場合はムリして1900動作を狙うのはやめておいた方が無難かも知れません。

IF1900を維持するために各部の電圧が高くなるほど、発熱も増加しPBOの恩恵が少なくなるため、発熱に対して性能の伸びが割に合わない結果となってしまいそうです。

 

総評 【前編】 ~X370で使うにあたって~

CPU全体のまとめをする前にタイトルにも採用したX370マザーで使用するにあたっての注意や感想を述べていきます。

 

・定格で常用する際

X370マザーがX570マザーと比べて劣る点はなんといっても基礎設計の古さ。

特に、16コアである3950Xの搭載を考えてか、X570マザーは全体的に豪華な作りとなっている製品が多いので電源周りの堅牢性が変わってきます。

3600x程度なら問題なく常用はできると思いますが、TDP95Wといっても各種ブーストの都合上割と発熱するCPUですので簡易水冷などで使用する際には電源フェーズ等の冷却に注意した方が良いと思います。

・OCで常用する際

3600xは6c12tと比較的扱いやすいレベルのCPUですからOCして常用する方もいると思います。

この時耐久面で基礎設計の古さがネックになるのはもちろん、メモリOC面でもx570との差になります。

というのも、目で見て判る部分では物理的にメモリスロットの配線長が違うなど、x370登場時のZenがメモリ耐性に難アリだったこともあってか基本的にメモリのOCにもあまり向いていません。

今回は発売当時からメモリ耐性に優れているといわれたCROSSHAIR VI HEROを使用したので4000MHzなどでの動作も問題なく行えましたが、メモリ耐性の弱いマザーではIF1900(DDR4-3800)で低レイテンシ動作をする際の難易度が上がるかもしれません。

・チップセットとしての差

当たり前ですがチップセット自体の機能、拡張性は確実に劣ります。

一つ目は冒頭にも説明したpcie4.0への対応の有無

帯域幅の大きいpcie4.0では同規格に対応したNVMe SSDを使うことで1台で最大5000MB/sといった圧倒的な読み書き速度を実現できます。

二つ目はUSB3.1 Gen2の数

1250MB/sの帯域幅を持つUSB 3.1 Gen2ですがx570では8つなのに対しx370では2つ。

SDカードリーダーや外付けHDDなど対応製品は様々ですのでより多くの製品を活用できます。

三つ目はZen2へのネイティブ対応

冒頭にも書きましたがBIOSをアップデートしないとZen2には対応できません。CPUを交換する前に忘れずにアップデートしましょう。

・要するに…

派手なOC遊びをせず、pcie4.0やUSB3.1 Gen2等の帯域幅を生かした製品も使わない。

という方ならX370でも問題はありません。ハイエンドマザーであれば16コアの3950xも使えると思います。

 

総評【後編】~製品としての評価~

前世代より進化したシングルコア性能と優秀なブースト機能を備えているうえに、OC遊びでも十分楽しむことの出来る良いCPUだと思いました。

逆に難点は?と問われれば、一番問題になのは「3600xであること」だと思います。

3600の上位なので動作周波数の高さやOC耐性は利点ですが、果たして一般ユーザーが6000円の価格差にその価値を見出せるかは疑問です。

このランクの製品を買う方はコスパ重視の構成を求める方も多いでしょうし、正直OC遊び目的でなければ私も3600を買ったほうがいいと思います。Zen2CPU自体が優秀な分、わざわざ同じコア数の中で上位の製品を選ぶというケースは少ないでしょう。

~長所~

  • Zen8コアに匹敵する性能の高さ
  • X370マザーでも問題なく使える扱いやすさ
  • 弱点だったシングルコア性能やメモリ耐性の改善

~短所~

  • 6000円という下位製品との中途半端な価格差

 

3600xのレビュー、どうでしたか?本来個人ブログであれば複数にわけて解説するようなものを一つの記事にまとめた為、ずいぶん駆け足な記事になってしまった気がします。

うーん、Ryzenもどんどん弱点が無くなっていって嬉しい限りですね。

特にZenの最上位と殴り合える性能と言うことを考えると、発売当時からRyzenをずっと使ってきた私にとっては感慨深いです。もうフルHDゲーミングならコレで困ること無さそう。

旧世代マザーでも問題なく使えます。Zenで組んだままの方も、これを機にアップグレードしてみてはいかがでしょうか?

 

おまけ(という名の素人へっぽこoc雑談)

蛇足だとは思いますが今常用してる設定とか、書こうと思ったけどやめた事とか置いときます。

CPU:4.3GHz@1.368v SoC 1.0375v、vddg 1.007v  (あんまり詰めてません)

RAM:3800MHz@1.375v 16-16-16-32-48 1T、2nd以降は必要以上に詰めずRyzen DRAM Calculator準拠 

電圧はこれより低くてもベンチ走るので、多分当たり石とかx570マザーならもうちょい電圧下げられます。

IF1900動作の鍵となるのはvddgとか、socよりvddgが300-400mv低くなる形で設定してあげるのがいいらしいです。(最大でもsoc1.15v程度でやめとかないと壊れると思います)

どうもIF1900はvddg周りの電圧設定が不完全だと負荷テストパスしてもベンチのスコアとか若干ブレちゃうんですよね、耐性良い石なら平気なんだろうけど常用するなら念入りに見たほうがいいかも。

あとコアクロックについてですが、4.5GHzあたりならなんとかなります。常用は発熱的に4.4とか?でもそこまで頑張らなくてもいいので4.3にしてます。

 

メモリについて

今使ってるOC lab MasterはOC遊び向けのメモリなので度を越してますが、基本的にはOCで詰めるならMicronEかsamsungBダイを採用した選別メモリを使っておけばいいと思います。

ちなみにOC lab Masterなら4000CL19より3600CL17のほうがAMDとの相性が良いらしいです。

IF同期での常用限界は恐らく3800 14-16-16-36とかそのあたり、お察しの通り虎Zneoの3800cl14と同じタイミングです。ここらへんならram1.5vもあればsocたいして盛らずに動作するのでうまく詰めたら常用できそう。

因みにGskillが新たにリリースした選別メモリで採用されてた4000mhz15-16-16-36はベンチ程度なら1.5vで動きました、ちゃんと調整すれば4000 16-18-18-38あたりは1.45vとかで普通に使えそうです。

まぁ私は無理しないで3800CL16で常用してますが…

あとどうもx370は4266とか4000以上のハイクロック動作した時の耐性が低い?x470などと比べてハイクロックの動作難易度が高い気がします、というか私の腕だと4500とか到達できません。もちろんそんなクロック常用じゃ意味ないんですけどね。

 

新規に購入するとしたらBallistix Eliteの3600MHz↑とかTrident Z neoの3600CL16↑なんかは入手難度低い割りに面白そうですよね。 

Zenの時はSamsungBダイの一人勝ちでしたが、今は常用レベルならMicronEダイのが低電圧で高周波数に出来るので優秀らしいです。3733cl16とかなら脳死でEダイ刺しとけば良さそう。誰かEダイください。

手持ちのG.skill FlareX 3200mhzCL14でも3733mhz等十分対応できたので、常用レベルなら旧世代のBダイ選別メモリも狙い目かもしれません。

3800 14-14-14-28とかだとちゃんとしたメモリが必要かな?今度oc lab masterのレビュー書く時試してみます。

※このパートはノリで書いたので後々加筆修正消去等するかもしれません(2020 3/13)